gn to t.Y. 覚え書き

gn to t.Y.

覚え書き

徳川いれずみ師 責め地獄

吉田輝雄さん+石井輝男監督目的で見る。タイトルロールからしてドバーっとやってくれます。なんといっても最初のシーン。半狂乱な女性が墓を掘り起こしてまで探しているのはカギ。何のカギかというと貞操帯のカギなんですねえ。映画の行く末を不安にさせる出だしです。与力や大黒屋の悪さを背景にした、いれずみ師の吉田さんと愛人の橘ますみさん、そして同じいれずみ師で兄弟子の小池さんたちのお話し。後から気が付いたが、DVDのチャプターリストが革命的。そのチャプターごとの説明が簡潔に書かれていて、しかも役名入り。最初にこれを見て入れば彫秀とか彫辰とか役名も漢字もすぐ分かる。話しの内容丸わかりで最初は見ない方が良い。いれずみ師のトップを争う彫秀こと吉田輝雄さんと兄弟子の彫辰の小池朝雄さん。人相のとおり小池さんの方がかなり悪。ちょっとというのはすべてが田中春男さん演じる与力鮫島と大黒屋の悪だくみだから。彫秀さんが魂込めていれずみを入れた由実を風呂に入れるんですが、どうも背中には何も彫られていない。なんでかなと思ったら、これがいれずみ試合ですべてが分かる。そんな彫り方もあるんですねえ。してやったりな吉田さんがかっこいい。いれずみを入れること自体が痛そうでタイトルどおりの『責め地獄』ですが、責めはそれだけではありません。縛ったり・吊ったり・ムチでしばくなど男女によるしつような責めが展開されます。そのひどい責めのほとんどをほぼオープニングで見られるというのが、出し惜しみなしの東映映画。特にノコギリ挽きはなんとも。最初は単純なSM的な責めかと思ったら、度を超えてただの残忍な人殺し。基本的に責められるのは女性ばかりですが、由美に手を出した男も女主人お龍にちゃんと責められます。このシーンがオープニングのお墓シーンに関係するんですねえ。責められる男の中で異色なのが女囚の中の由利徹さんと大泉滉さん。ちょっとだけかと思ったら、しっかりといれずみも彫られてます。責めばかりだとシリアスすぎて見ていられない人もいるだろうと考えたのでしょうか。特にかれんな橘ますみさんが演じるお鈴が彫辰に彫られたり、ひどい目に合わされて逃げた挙句の運命とか涙のシーンはあるものの、怒とうのクライマックスにそんな感傷もどこへやら。怒りに満ちたあの人の大爆発。斬るわ殺すわで大混乱になっても彫り物対決は忘れない。この彫技がすごい。まさかあんな彫り物があるとは! その前にモデルの質で勝敗は決まったようなもの。すごく幼そうに見えましたが大丈夫なんでしょうか。これで最後かと胸をなでおろしていると、あれよあれよと別シーンに移ります。そして見せてくれるのがこの映画最大のショックシーン。監督の映画『恐怖奇形人間』の人間花火を思い出します。あの映画みたいな派手さはまったくないですけど、昼間に静かに行わることが恐怖かも。やるなあ監督。長崎の異人街とかアヘン屈の様子も怖い。女の子をさらう馬車シーンがそう快。吉田さんの見せ場なのでけっこう長尺。吉田さんの狂気な笑顔と泣き叫ぶブロンドの女の子の対比が異常。さらったのはもちろんアレのため。演出なんでしょうけど、与力の顔の青さ加減が素晴らしい。長島監督のひげそりあとみたいで、ここまで青くされると何も言えません。橘ますみさんのお鈴がかれんさが光る映画。ちゃんと役者の方向性か、どんなシーンでもなるべく胸は出しません。ああ面白かった。

気が付いたひどいこと一覧
・はりつけの上、○に串刺しで血がドバー、ブシャー
・埋められて首だけ出して、その首をのこぎり○きして○ポロリ
・天井から身体を曲げて吊るされてベロベロされる
・いれずみを入れた女たちに囲まれてどつきまわされる由美
・縄でしばられ、逆さ吊りにされて棒で叩かれてグルグル回転
・縄でしばられ、吊るされて棒で叩かれてグルグル回転
・犬のように○に縄を付けてなめさせてその上どつくお龍
・腕をしばって吊るした女をさわったりなめたりチューしたりするお龍
・その女の口の中をワインで満たして溢れ出るワインを下で倒れている女に無理矢理飲ませるお龍
・女たちをガラスの床の上を歩かせて、上から下から品評会
・与力による女牢名主への超パワハラ
・お龍の男に天井からおりた縄に手を縛られ、台の上に寝かせられて足もしばられ、縄で叩かれ、猿ぐつわの上顔面をしばられてさわられたりなめられたりする由美。しかしお龍に見つかる。
・お龍が男の妹ゆきの脚をお座りみたいな形に縛られて逆さ吊り。背中をとがった棒で傷つけて○がタラー。回転させてまた刺す。
・男に唾をかけられて怒ったお龍が妹の○をブスブス
・さらに怒るお龍は由美のあそこに貞操帯(しかしそのカギを・・・)
・怒りマックスのお龍が男をメッタ打ち
・逆さはりつけの上、叩かれて回転
・腰辺りで吊るされて背中に○をたらされた上に回転 by お龍
・カギを探すのに墓を破った由美がはりつけ状態で海に浮かばされ、周りに油をまかれて火責め。煙は油で真っ黒
・カミソリで男の首を切っといて○がドバー。与力が自分でやっときながたお前がやったのだと彫辰にせまる超パワハラ(その罪は堀秀に着せられ島流し
・長崎。鎖で腕を縛られ、吊るされて、茨で体を縛られて○がダラダラ(それを見ている西洋人と中国人。大黒屋は女たちをまとめて売り飛ばす腹)
・女をトゲトゲの点いた円盤台にはりつけて身体を・・・
・女を身体を伸ばすような台に拘束して身体を・・・
・女を身体を曲げるような台に拘束して身体を・・・
・しなる竹で○さき刑

予告編で登場した責め名
・女体逆さ吊り
・白人女の人間屏風
・女体凧あげ
・人間針ねずみ
・女体ワイン熟成
・三角木馬
・水車責め
・竹のしなりで空中股裂き

映画.com の紹介ページ(GEO ではアダルト扱いだった)

https://eiga.com/movie/41497/

やくざ刑罰史 私刑!

吉田輝雄さん目的で見る。やくざ私刑(リンチ)オムニバス三本物。最初は江戸で次は明治、大正、最後は昭和。やくざの抗争の中で内輪の不条理な掟による私刑がこれでもかと描かれます。おなじみの波と東映マークが出たと思ったらタイトルールから私刑シーンのオンパレード。これでもかと見せてくれます。もうおなか一杯。予告編もそうですけど、東映の人々は出し惜しみという言葉を知らないのでは。
1話目から大スター、大友柳太朗さんと菅原文太さんが登場します。やくざの中にはずるがしこく世渡りする人もいて、それが石橋蓮司さん演じるマムシ。血の気だらけのむさくるしい男たちの中で頼りない優男が V3 こと宮内洋さん。刀についたの血と刃こぼれで働きを調べる親分。それがきっかけで早々に菅原さんが自分の指をサクッとウィンナーみたいに切って詫び。指一本では気が済まない親分を組衆の兄貴分、友造がとりなす。この第1話では「間男するな」「盗みをするな」がやくざの掟で、これをひっかきまわすのがマムシ。彼と親分がもうちょっと大人だったら江戸に誇れる人情味あふれる任侠話しになったにちがいない。ああマムシさえいなければ誰もかれもがあんなことには・・・。時に不条理であったとしても、掟を破ったものには制裁しなければ示しがつかない世界なんですねえ。この話しでは、菅原さん、大友さん、そして堅気になりたい林さん、この三人の愛情ともいえる世界も描かれる。ちょっとホ〇っぽくもあるが、大友さんを除いて彼女がいるので、友情・人間愛と呼ぶのがふさわしい。しかし姉ちゃんや兄貴分の心を知らない V3 もちょっとバカ。よく「〇巻きにしてやる」と言われますが、実際にやっているところを見られます。菅原さんの端正できれいなお顔がすばらしい。
2話目は明治か大正か。三年のムショ暮らしから出所した大木実さんは、自分がいた荒木田組や兄貴分の伊藤久哉さんにお願いされて犯した罪でお勤めしたというのに、誰も迎えに来ないのでちょっとがっかり。伊藤さんから頼まれて敵組の親分の指ならぬ腕をいただいてきたのに関東所払いを命じられ、そのままムショ暮らし。伊藤さんに言い伏せられる親分にもがっかり。惚れあっていた橘ますみさんともすれちがい。この伊藤さんの口八丁手八丁が2話目の元凶なんですねえ。1話目の石橋さんとはまたちがった憎らしさ。でも性格的にはメガネの蓑和田さんが石橋さんポジションか。出所してみれば「親分の敵!」と男に襲われる。その男が身体が弱くて家に送ってやるが、そこにいるのは橘さんではないか! ああ悲しく辛い。組のために身体を張った大木さんだが、ヤクザの憲法(この第2話では『掟』ではなく『憲法』と呼ばれています)のおかげでひどい目に。非常に理不尽。伊藤さんのたくらみに乗ってしまって親分の敵と決闘するところは、橘さんの可憐さもあってこの映画の名シーン。その後はバッサバッサの大立ち回りで斬るわ斬るわ。私刑シーンはあまりなくて極上任侠物ストーリー。ウルトラシリーズでは正義側が多い伊藤さんだが、現代劇だと悪人役が多そう。
最後は昭和。開始早々ミスター・ゴケミドロ高英男さん登場。趣味はヨーヨー。今度は銃撃でコンビナートのタンクまで爆発する大騒動。あからまさまな特撮なのはご愛敬。ヘリまで登場するリンチシーンにはお金がかかったんではないでしょうか。カギになる男、吉田輝雄さんがシビれるライフルさばきを見せる。撃った後には胸で十字を切るというニヒルさ。嘘と裏切りの世界。親分をやって下剋上。新聞記事の『窒息』が『チッソク』という見出しになっているのは、映画を見ている人がすぐに分かるようにするためなんでしょうか。吉田さんは二代目を狙う藤木孝さんに殺しの濡れ衣を着せられるが、ただじゃ転ばない。銃やライフルどころか手りゅう弾まで登場します。敵との抗争で銃を使った・使ってないで裏切り者を見定める様子は、第1話の刀の刃こぼれや血を調べるところと重なります。敵は外ばかりではなくて身内にもいるわけです。それは男ばかりではありません。それが女でも容赦なく私刑。1話や2話同様、ラストは怒涛の銃撃戦。裏切りの連続で誰が最後に生き残るのか。甘いマスクでも目に狂気をはらませる吉田さんがかっこいい。
第2話の大木さんの回がまあまあ後味すっきり。ああ面白かった。

覚えているだけで私刑なシーンはこれだけあった。
・菅原さんの〇詰め
・石橋さんの二枚〇ぶったぎり
・林さんの〇ぶった切り
・菅原さんが〇玉をほじくり出される
・宮内さんの〇巻き+川投げ
・大友さんが自分で〇玉をほじくり出す
・敵親分の〇をぶった切り
・大木さんの〇をビンで叩き潰す
・〇をかけて放置して虫にかまれてかゆくなる。
・ヘリで引っ張り回してケーブルドラムみたいなのにドッカンとぶつかる。
・裏切り者の顔を〇であぶる。
・濡らした布で〇をふさぐ
・車ごと〇されて鉄の塊にする
・木箱に〇詰め。
・タイトルロールや予告編だけの私刑もありました。
・豚ならぬ人の丸〇き
・〇玉焼き
・ショベルカーの刃先につきさす?
・〇埋め
・車で引き回し
・手の甲をドリルで〇
・〇を額に当てる
・丸太に縛り付けて回転させて〇

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Zの回路 復讐の裏ゴト師

岡田奈々さん目当てで見る。小顔で目がでっかい。大人になっても可愛さ無双。彼女はパチンコ台を作るセントラル電工の常務秘書。ツンツンした態度でコンタクトを試みるのは、パチンコ業界を離れた名プログラマー藤竜也さん。元セントラル電工の天才エンジニア。藤さんといえば映画「ワイルド・ジャンボ」とかワイルドだろう?な役を想像しがちですが、プログラマー役というのがめずらしい。だから特別腕力が強い男ではありません。どっちかというとダメな人でしょうか。でもパチンコのプログラム開発は超一流。セントラル電工は新台開発のために彼の腕を手にいれたい。そのために岡田さんが藤さんに近づくんですねえ。この映画は続編らしく、最初の映画では藤さんが陰謀に巻き込まれ、濡れ衣を晴らしながらもセントラル電工を離れるまでを描いているようです。なかなか話しがややこしくて、藤さんは前回で家族と別れ、なんと妻は自分を捜査していた刑事と子連れで再婚してしまったらしい。いったいどういう経緯があったのか。その刑事が野草大好きの岡本信人さんなので、けっして腹黒さによるものではないと信じたい。岡本さんの部下が船越英一郎さんかと思ったが、よく見たら『いいとも青年隊』(だったか?)の久保田篤さんだった。なんか姿と口ぶりが船越さんにむちゃくちゃ似ているんだよなあ。藤さんが最後に設計したパチンコ台『Z1』が電波ゴトの標的にされる。セントラル電工は新台『Z2』の設計が難航。そこで元社員の藤さんを引き入れようとするが、過去にひどい目にあった藤さんは首を縦に振るはずもない。しかし・・・と色々あってまた引き込まれる藤さん。しかしパチンコ関係の業界には新台は出て欲しくない人もいます。そうしたパチンコ利権というか勢力の奪い合いの話しなんですね。話しの中で「国際問題にも発展する~」なんてセリフがあるので、パチンコ業界が、とある国の人々によって作られたのは周知の事実とされているのでしょう。舞台となるパチンコ店ニューライトって、エンドクレジットにも登場するからきっとほんとの店なんだろうなあ。色々あって乱暴されてしまう岡田さんだが、乱暴中のシーンは無し。でもボロボロの姿で床に落ちたあるものを隠すところ、そして富士山に助けられた後の化粧っ気の無いシャツ姿がちょっとエッチ。色々ありますが、パチンコプログラマー藤さんのプログラミング作業の様子も見物。使っているキーボードに刻印が無いように見えますが気のせいか。ドットインパクトプリンタが打ち出すプリントを眺め、図面を見て、現品も見ながら肌着に首タオル姿で一心不乱に作業する藤さんの汗がまぶしい。裸の ROM がインサートされたりして、ハイテク感を見せてくれます。使っているのはモニターを見る限り NECPC-98 っぽいです。彼のデスクには ATARI らしいハンドヘルドPCがありました。そんな藤さんの姿を見つめる岡田さん。きっと自殺してしまった恋人をの姿を重ねているのでしょう。ちょっといじらしい。ラストはこんなパチンコ屋があったら良いなという展開。だいたい会社の偉い人は藤さん一人に作らせるのがリスクと思わなかったか。予想した展開の中で、奈々さんのラストだけはちょっと意外だった。藤木悠さんのやせた姿が痛々しい。PC-98 と藤さんと岡田奈々さんを見る映画。

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暴力戦士

岡田奈々さん目当てで見る。抗争する東京のファイターズと神戸のドーベルマン・キッド。ファイターズのリーダー、田中健さんとドーベルマン・キッドのリーダーの妹、岡田奈々さんが関西から関東に逃げる話し。別に岡田奈々さんが逃げる必要はないのだが、二人とも手錠でつながれているからついていくしかない。その手錠がマンガ『男組』みたいな長目な手錠。そのおかげでちょっとは自由に動けますが、手錠を付けられっぱなしじゃ手首も痛くなったのでは。青春アクションでエッチは無いが、あえて言えば冷凍車内で苦しむシーンがハアハア満載でほとんどエッチな雰囲気。石井監督がエッチシーンの代わりに設定した状況かも。出だしから ARB 登場。彼らのライブをファイターズやドーベルマン・キッドの連中が見ている設定ですが、どうみても ARB のステージと客席側は別撮り。ひたすら岡田奈々さんが可愛い。むさくるしい男たちの中の紅一点だから小顔とか可憐さがいっそう目立つ。男たちの中でも良い男は素肌に革ジャン姿の田中建さんのみ。手錠でつながれているので、必然的に岡田さんと田中さんはいつもいっしょ。岡田さんにとって田中さんは敵グループなわけで、ギクシャクする二人ですが、それがどうなっていくかというのが一番の見どころかもしれない。簡単に関東まで逃げれるわけでもなく、邪魔がたくさん入る。第二の見どころはそのアクション。ローラースケートの集団にCB無線で連絡を取り合う集団、パチンコを武器にして迫ってくる男たちに口裂けメイクの女たち。そして最後はバットを手にした野球のユニフォーム姿で殺す気満々のいかれた人たち。浅間山荘で登場したような鉄球の重機を使って隠れているビルまで壊しちゃう。それじゃ岡田さんまで死んじゃうじゃんと思ったが、どうやらドーベルマンキッドのリーダーは汚された妹はどうでもいいと考えている様子。変態的なシスコンです。それに比べて田中さんは硬派。主人公だけあって映画の中ではいちばんまともな人。ファイターズのメンバーもアホばかりかと思ったが、なんだかんだと修羅場を切り抜けるのだから、すごい奴ら。ラストはドーベルマンキッドの仲間がうじゃうじゃ勢ぞろいで、彼らのネットワークの大きさが良く分かる。岡田さんの背中を見送るリーダーの眼差しがちょっとさみしい。ファイターズやドーベルマン・キッドの人たちが昼間何をしているのか分かりませんが、みなさんいい大人に見えるのできっと働いているのでしょう。見たところ夜のシーンが二度あったので、土曜日に ARB を見て、土曜の夜、日曜の夜、そしてラストは月曜の朝というところでしょうか。これから彼らは仕事に行くのかもしれません。もうちょっと若い人を集めればそんな勘ぐりはしなくていいんですけど。俳優と言えば年を取った方、いわゆる大御所さんが出ていない。石井監督なら誰でも呼べそうですけど。やっぱりヤングな映画を目指していたのだなあ。田中さんのおなかがちょっと気になる映画。Tシャツくらい着てくれても良かったと思います。

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無頼平野 -昭和侠客外伝-

岡田奈々さんが出ているので見る。小顔でかわいい。ちょっと二重アゴっぽいところすら魅力になってしまうところがすごい。彼女が演じるナミを中心にして話しが進みます。彼女に関係する人たちが、彼女の人気をねたむ女優、凶悪ストーカーなエロ幹部、純粋なファンに片思いの用心棒に実の親父と、バラエティに富んでいて面白い。最初のシーンでは映画『ベルベット・ゴールドマイン』を思い出したりする。時と場所の設定は無し。雰囲気的には1950年後半から60年の間くらいでしょうか。血液売買と言えば映画『太陽の墓場』ですが、この映画だとそれがちゃんと会社になっている様子。いわゆる民間商業血液銀行でしょうか。血がお金になるのなら、わざわざ病院に献血には行かないでしょうねえ。劇中でも売血する人が大勢います。しかし血液銀行での作業風景が非常に怖い。おまけに胎児ではけっこうショック。でも雰囲気が違うだけで今でも同じようなことをしていたりして。今では裏の顔がいくつもありそうな佐野史郎さんが、ぼくとつで良い人な役。南原宏治さんに砂塚秀夫さんや由利徹さんなどのベテランを配しながらも、マジシャン役で大槻ケンヂさんを登場させたりと、緩急の配役がすばらしい。その中でも主人公サブの思い出の人でもある任侠男リュウ吉田輝雄さんというのが、まさに石井監督。最初は渡辺文雄さんかと思いました。そのリュウやサブの過去を回りくどいセリフ無しに映像で見せるところが素晴らしい。サブは好き嫌い以上にリュウの存在があるからこそナミを守っているのかも。グロや暴力ときたら次はエッチ。佐野さんのシーンも含めれば、イケイケの女性から夫を捜索中の子連れの人妻まで3シーン有り。豪華ですが激しいところもあるので子供と見るにはちょっとつらい。しかし、いくら挑発されたといえ、あそこでサブがエッチしてしまっては黒竜会にとやかく言えないのでは? その黒竜会のボスがカジヤマ。彼はなんだかんだとナミを愛人にして抱こうとする。無理矢理襲ってしまえば済む話しなんでしょうが、彼女の納得のもと自分の女にしたいんでしょうねえ。そのカジヤマのどこをどう見ても悪役にしか見させない演出がすごい。顔も凶悪で憎たらしさ満点。虎の威を借る狐のごとき彼の取り巻きにも腹が立つ。この両極端な演出も石井監督ならではなんでしょうか。岡田奈々さんのエッチは無いですが、その代わりレビューシーンが長尺。たくさん練習されたのではなかろうか。その中でもカツラをかぶったコントなレビューが見もの。元々のタイトルは『無頼平野』なのに『昭和侠客外伝』を付け加えたのは、石井監督の映画で『昭和侠客伝』というのがあったせい? それとも任侠映画好きを呼び込むため? と色々思ったりする。でも時と場所は無いことになっているのに『昭和』と入れるのはなんだかな。冒頭の黒竜会が血液を欲しがる理由は、当たれば血が飛び出るパチンコ玉を作るため。パチンコといってもチンチンジャラジャラのパチンコではなくてゴムで飛ばすパチンコ。そこでよく思い起こしてみるとこの映画の世界では銃が登場しなかった気がする。刀やドスとゴムパチンコで戦う任客たちのだった。面白かった。

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帰ってきたウルトラマン VOL.9

引き続き11月の傑作群を含む巻。名作というより異色作が多い。
33話 怪獣使いと少年
社会ドラマであるとか色々と話題になる回。この話しで良かったことをひとつ上げるとするなら、いつもであれば宇宙人は最期に素顔を見せますが、この回では人間の顔のままだったこと。宇宙人の中でもかっこいいとは言えないメイツ星人の顔を見たら、暴徒と化した人間たちは恐怖で更にムチ打ったにちがいない。ゼラン星人もかなりひどかったですけど。あとはムルチがかなり強かった。北海道の枝幸なのか江差なのか気になる。炭鉱云々だから江差かなあ。
34話 許されざるいのち
『いのち』が漢字の『命』でないところがやさしい。植物と動物を混ぜて新しい生命を造り出してしまった物語。動物同士ではなくて植物というのが面白い。映画『悪魔の植物人間』はもうちょっと後だし、なかなか先を行っているのでは。もしかして人間も混ぜるなんて話しもあったのかもなあ。
35話 残酷!光怪獣プリズ魔
岸田森さんと次郎君のプリズムについての家庭学習ではじまる物語。プリズ魔がかっこいい。南極で眠っていたという怪獣。水晶体をイメージさせます。光があるときには姿を現さず、暗くなると光を求めて活動するということなんでしょうか。前半のウルトラマン対プリズ魔の戦いがシュール。ウルトラマンが苦しむ姿が残像エフェクト(?)でこれでもかと表現されて、当時の子供はけっこう困ったかも。プリズ魔をおびき寄せる作戦が『東京照明オフ作戦』。プリズ魔をおびき寄せるため、余計な街の照明を消すというもの。野球場が舞台なのもめずらしい。郷秀樹の一か八かの攻撃が成功するのかというハラハラドキドキな回。良かったのか悪かったのか異色の終わり方。けっこうハードな展開だった。
36話 夜を蹴ちらせ
大人向けでしょうか、美人さんが揃う回。丘隊員のクローズアップが多い。やっぱり美人です。巨大な女性が登場する珍しい回。そのままの姿でウルトラマンと戦ってくれるとうれしかったがそうもいかんかったのでしょう。ウルトラマンも触るところに困るでしょうから。宇宙人でも吸血と言えばコウモリなんですかねえ。もしかしてコウモリはタコと一緒で地球外からやってきたんだろうか。超音波も分かるらしいし。
これだけひねた作品群を見ると、タッコング津波怪獣とか、怪鳥がやってくる前後編の王道ドラマを見たくなります。戦いで壊された街がすぐに復興しているのを見ていると、ウルトラマンの時間軸はウルトラQといっしょで前後が関係していないように思えます。しかしウルトラマンの成長とか武器は過去がないと説明できないし、その矛盾が昭和の怪獣プロレスドラマ。昔はそんなこと考えませんでしたけど。それとも政府が有能か国債ジャブジャブで街の復興が早いのか。MAT の実働隊 6人 で間に合っているようなので、それだけ怪獣が登場する頻度が少ないのかもしれない。MAT の裏方さんはたくさんいるんでしょうけど。面白かった。

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