gn to t.Y. 覚え書き

gn to t.Y.

覚え書き

黒線地帯

いつ見ても新東宝のマークがなんだか不思議。太陽と三日月なんでしょうか。変な細胞みたいにも見えるし。女性を追いかける白いコートの天知さん。周りの人の様子からしてゲリラ撮影? 天知さんに声をかける女占い師。「女性を探してますね」やら「女難の相が出ている」やら云々で天知さんの興味を引きます。なんだかんだと新手の客引きですか。天知さんはいったい誰なのかというと、彼自身のモノローグで週刊誌に記事を売り込むトップ屋だということが分かります。彼が追っているのは地下売春組織。女性たちに売春をさせる黒線地帯のことを探っているのですが、それがじゃまな人が絶対出てくるんですね。サントリーの角瓶を飲んでフラフラする天知さん。その彼の手がうごめくシーンが面白いです。気がつくとベッドで寝ていて、その隣で白いコート来た女が死んでいた。焦る天知さん。三面鏡を使ったシーンがおしゃれ。焦っている天知さんと激しいBGMのナイスマッチ。圧倒的に不利な状態からどうやって天知さんが巻き返すのか興味津々。天知さんの道中は、女、女、女との遭遇。女性の割合が高い。人形教室は百パー女性。ホテルに閉じ込められたときは、チューインガムとつまようじと水で華麗に脱出。チューインガムといえば、この映画でいちばん美人だろう三ツ矢歌子さんが「リグレーの~」とメーカー指定で買うところも面白い。意外だったのが三原葉子さんと三ツ矢歌子さんって、あまり年が離れていないらしい。三原さんが貫禄ありすぎなのか。何気ないアクションも素晴らしい。バスに飛び乗ろうとしてケガをするのも立派なアクション。サブを追いかける天知さんに車が向かってくるところを軽くかわすが、当たっていてもおかしくない。車と言えば天知さんの愛車はカブト虫なフォルクスワーゲン・ビートルだった。ああかっこいい。右ハンドルでしたけどやっぱり輸入はヤナセなんでしょうか。古い映画は街の景色を楽しめる。『独特な味 カレーライス 50円』なんて看板は美味しいのかどうなのか分かりません。トリスバーではハイボールが50円。『シンガポール』なんていうキャバレーも面白い。海兵の帽子を被ったホステスにボーイを特攻隊と呼ばせて、海軍を徹底的に茶化します。当時の風俗を紹介する様に女性っぽい男子も登場してその道ならではの心情を語ります。耳や声にハンディがある人が働いているシーンとか訳ありな店ばかりではなく、男子店員がカゴに入れてくれるスーパーとか、人形教室等々が登場。みんな興味深いです。とか、ガムを買うとか、大から小まで色んな出来事に無駄が無い。石井監督ばんざい。ああ面白かった。

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