gn to t.Y. 覚え書き

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覚え書き

失恋殺人

星野真里さんが明智小五郎の奥さん、文代となって活躍する映画。大正・昭和が絵になる人です。主役は宮地真緒さんなんでしょうけど、彼女が静と陰なら、文代が動と陽、どちらも主役といえます。妻の不倫について夫が相談した相手が歯科医だったが、実は歯科医が妻の不倫相手。その場で夫は歯科医に忘れてくれと言って終わるが、なぜか歯科医は明知探偵にその妻の不倫について調査を依頼する。普通ならそっとしておいてほしいところを変な話しです。それどころか、相変わらず堂々と診察室でアレしまっくてしまうんですから、神経が図太いというか欲が勝ってしまったというか。考えてみると、歯科医が調査を依頼したのは、自分たちの不倫がバレてないかどうかを逐一確かめるためだったんだろうなあ。その調査を文代が行う。アレしてる様子を覗き見してしまう歯科医の女助手。その様子が乱歩さん風味満点。これが天井のすき間なら「屋根裏の散歩者」。「すき間に目」というのが絵になってます。この女助手のとらえようのない雰囲気も良いです。妻が不倫に走るのは、柳憂怜さん演じる夫が怖いから。これは暴力とかではなくて、しつこいくらい「どうしたの・どこ行くの・何があったの」とかまってきたり、嫉妬が強かったりしてそれが怖い。その逃げ道が歯科医の男ですが、怖さを打ち消すためなのか彼とのアレも激しくなります。だいたい診察室でっていうのが変態趣味の一歩手前。何かあれば女助手とか誰かがやってくるでしょうし、その辺のドキドキ感もちょっと変態仕様かも。おまけにちょっと前にアレして病院から出てきたら夫が待っている。またある時は、夫が待合室で待っているにも関わらず、診療室でアレしてしまう。夫に限らず、妻も歯科医もけっこうなゲス同士。探偵・推理というよりは、激しい不倫と嫉妬の行く先を見る映画。映画のタイトルが「失恋殺人」というのだから、どう「殺人」が出てくるのか。基になっているのは江戸川乱歩さんの小説ですが、文代さんが探偵役というのが面白い。小さなスパイカメラで撮ったりする仕草がかわいい。そうかと思えば、戸ごしに耳をそばだてる様子はなんだか色っぽかったりする。面白かった。晴れ・曇り。

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